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http://www.net-web.ne.jp/fris/yaminoken.htmもう10年以上前になりますが、インターネット普及初期当時、腹パンチの巨大サイトがありまして、そこに投稿させていただいたのが、この作品「闇の拳」でありました。
当時、ぼくは、プロ作家を目指していましたが、自分の、この性癖は劣等感以外のなにものでもなく、絶対に小説の題材になどできないし、してはならないと思っていました。
しかし、そのサイトでは多くの方々が文章や絵で自分の性癖を表現していて、それを見て、ぼくは、大いなる勇気をもらったのです。
たった一作でいいから、自分の劣等感を力に変えて物語にしてみよう。
その情熱から生まれたのが、この「闇の拳」でした。
ですから、執筆中は、これを投稿したら、もう二度と自分の性癖を用いた作品は書くまいという悲壮な決意をかためていたわけです。
しかし、レオというキャラクター、そして、国際誘拐連合(INternational Kid-Napping ASsociation)通称インクナスという組織を生み出した時点で、ぼくは、作者というより、一読者としてさらにその次の物語を読みたくなっていたのです。
こうして、ずるずると書きつづけ、いつの間にか、レオの活躍も第5作になり、おかげで、ぼくも印税をいただけるようになりました。
こうして読み返してみると、この第一作は、じつに稚拙だなあ、というのが正直な感想。
ほんとうに勢いだけで書いてしまったために登場人物に深みがない。
そこがいいんだ、というファンの声も頂戴するわけですが、作者としては複雑です。
以来、当身・腹パンチ小説なるジャンルを書きつづけているわけですが、なにより大切にしているのが、作品自体が小説として完成しているということ。
なぜ、腹なのか、なぜ、拉致するのか、この人はどういう人で、真の目的は何で、伏線をどういう風に配置して・・・それらすべてを適切に小出しにして、しかも、ラストまでにすべてを完全に種明かしをして終わらなければならないのがプロの小説だとすれば、腹を殴ることに終始してしまった、この第一話は、スピード感以外は、納得がいかないというのが、作者の本音です。
ただ、この手法ですと、どうしても種明かし部分に当身・腹パンチシーンを持ってこられず、「萌え」のないままにドラマを終えることになってしまう。
作者としては、そこが忸怩たるところではあって、悩みでもあります。
その点では、そういう小説の創作作法を無視したことで、最後までいっきに読み終える作品に仕上げられたこの第一作は、逆に評価に値するのかもしれませんね。
とにかく、実験小説の域を出ない、手探り状態での執筆でありながら、最初から最後までぶっ飛ばす勢いで書いた記憶があります。
当身・腹パンチ小説といえども技巧の限りをちりばめて書くようになった今となっては、もう書けない作品であるともいえます。
作者としても、作品としても若々しく、瑞々しい青春の一作といってよいと感じています。
この作品があるから、今のぼくがある。
JINという作家の記念碑的作品となりました。
よく、この第一話のファンの方から、「キャラで誰がいちばん好きか?」とのご質問を受けますが、「とくにいません」とお答えしています。
ほんとうにいないのでそうお答えしているのですが、いちばん印象にあるキャラクターは、と問われれば、如月麗さんです。
これは、後半を盛り上げてくれたキャラだからだろう、と自分では思っていますが、読み返してみると、なるほど、一回限りのキャラには惜しいのかもしれないとも思えてきます。
エンディングのシーンなどは、まるでゴルゴ13のマネと言われても仕方ないですよね。
やっぱり、過去の作品は、恥ずかしいです。
↓に収載されております。そのほか、ケータイ電話などからもお買い求めできます。
http://www.papy.co.jp/act/books/1-159943/
- 2012/06/22(金) 09:15:17|
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